直島 家プロジェクト『ぎんざ』15分間一人きりの貸切アート
直島の『家プロジェクト』の一つである『ぎんざ』は、たった一人で作品を鑑賞する家プロジェクトです。
中では、『豊島美術館』の作家でもある内藤礼さんの「このことを」という作品を楽しむことができます。
15分間一人きりになり、作品と向き合う家プロジェクト『ぎんざ』
その紹介とはじめて訪れての感想です。
完全予約制の『ぎんざ』
『家プロジェクト』には複数の作品を楽しめる共通チケットがありますが、ここは唯一その共通チケットでは鑑賞することができない施設です。
『ぎんざ』を同刻に鑑賞することができるのは、たった一人。
一人ずつ中に入り、15分交代となる為、この家プロジェクトは事前の予約が必要なのです。
鑑賞は必ず一人きりです。
カップルでも小さな子連れの親子であっても例外はありません。(小学生以下の場合はスタッフが同伴)
鑑賞者分の予約が必要で、交代での鑑賞となります。
もし4人で鑑賞するなら、4枠の予約をとって15分交代で順番に一人ずつ鑑賞することになります。
チケットの予約と引き換え
チケットはWeb予約で、60日前から当日鑑賞時間の1時間前まで予約できます。
予定が決まった時点でなるべく早く予約したいところです。
当日は予約時間の30分前までに『本村ラウンジ&アーカイブ』という場所で「きんざ予約確認メール」を提示し、チケットを購入します。
日時の記入されたチケットを持って『ぎんざ』へ向かいます。
『ぎんざ』は『本村ラウンジ&アーカイブ』からすぐで、『碁会所』の隣にあります。
『ぎんざ』をはじめて訪れて
庭の中に入るとスタッフが観賞の説明をしてくれます。
荷物はそこで預け、作品である建物の中へ一人で入ります。
中は薄暗くなっていて、奥に作品を見ることができますが、鑑賞者が動いて良いのは入り口付近だけです。
正直、はじめ良さがまったくわかりませんでした。
奥の作品は特に驚くような物でも動くような物でもありません。
15分居る意味があるのかなと。
でもせっかく私の為だけに用意された、作品との時間です。
時間まで作品と向かい合います。
足元等から入ってくるぼんやりとした外の光や音、世相から隔離されたような空間
しばらくしたら、子供の頃にもこんな体験したような気がしてきました。
豊島美術館で感じましたが、内藤礼さんの作品は、非日常とどこか懐かしい過去の記憶のようなものを結ぶ線上にあると思います。
でも、そう考えたのはずっと後からです。結局この時は、消化不良のまま時間になりました。
この作品ではじめて内藤礼さんの作品に出会った為、受けとめ方に戸惑いがありました。
でも、きっとここは豊島美術館のように、空間その物がじわじわくる作品なのだと思います。
次回もう一度訪れます。次はまた違った感じ方ができそうなので