【レポート】アスリート展
東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTにて開催中の『アスリート展』に行ってきました。
アスリート展はデザインやアートな視点から「アスリート」を捉えた体感型の企画展です。
解析したアスリートの動きが360度に映し出される迫力の映像や、自身の身体を使ってゲーム感覚で楽しめる作品など、アートな作品が多数展示されています。
そんな『アスリート展』の魅力を選りすぐって紹介します。
アスリート展の作品
アスリート展の作品はいくつかの部屋に分かれて展示されています。
なんとなくの順路はありますが、決められていないので、どの作品からでも楽しむことができます。
アスリートダイナミズム
モーションキャプチャしたアスリートの「動き」のみを可視化した映像作品。
「動き」が線となりダイナミックな軌道が描かれます。
そこに身体は無いのに何をしているのかが、想像できる作品となっています。
驚異の部屋
一室まるまる使った映像作品を楽しめる部屋です。
レコードをマークしたアスリートはどれだけ速く、どれだけ飛べるのか。部屋の壁4面を実物大の映像が駆け巡る作品。
アスリートのスピードや跳躍力を目の前にして実感することができます。
部屋の中央には走高跳の一コマを再現したオブジェが作品として展示されています。
身体を使って楽しむ作品
企画展の最も広い展示エリアでは、身体を使って楽しめる作品がいくつか展示されていました。
アスリートの体型特性
5種目のアスリートのシルエットを真似てポーズをとることによって、自身の体格とポーズを各アスリートのそれと比較できる作品。
バランスコントロール
左の測定台では、上に立って身体の前後左右のバランスをはかることができ、その後平均台でバランス感覚を試せます。
なんとなく、計った重心の方向に落ちそうになる気がします。
身体コントロール
自身の身体が感覚に合わせ上手くコントロールできているかをはかる3つの作品。
「グレーディングコントロール」では綱を引く強さ
「タイミングコントロール」では映像に合わせてのジャンプするタイミング
「スペーシングコントロール」ではモニタからの距離感をはかることができます。
「タイミングコントロール」では映像の長縄跳びに合わせてジャンプします。失敗すると縄を回してくれていた女性が冷たい表情で去っていきます。笑
タイムプレッシャー
スプーンですくったボールを穴にはめていくゲームを2回することによって、プレッシャーへの強さを調べることができます。
映像作品
会場では面白い視点からアスリートを捉えた映像作品もいくつか展示されています。
Analogy Learning
コーチから技術指導を受ける時、よく用いられる「例え」の映像と競技の映像と並べた作品。
「ほっぺたを撫でるように打つ」「熱したフライパンの上を走る」「ぬいぐるみを抱くようにジャンプする」など様々な例えと競技の映像を比較することができます。
動きのリレー
様々な競技での似ている動きの映像をつなげた作品。
円盤投げの回転、フィギュアスケートの回転、スノーボーダーの回転など、映像がどんどん繋がっていきます。
その他の展示
会場にはその他、スポーツギア、メダル、報道写真、ソフトウエアなど様々な作品が展示されていました。
戦術とビッグデータ
2014年ブラジルW杯の際、ドイツ代表の為に開発されたアプリケーションだそうです。
試合映像による戦術の分析や情報共有など、様々な利用ができるようです。
手前のタッチパネル液晶モニタで、選手を指させば、どの選手と連携をとっているかがラインで表示されます。
東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTにて開催中
21_21 DESIGN SIGHTでの企画展はこれまで「土木展」「デザインの解剖展」と見てきましたが、いつも体感型の作品を取り込んだ楽しい企画展が開催されていました。
そして、今回の「アスリート展」も体感型の作品を存分に盛り込んだ企画展となっています。
「体感」という面ではこれまで以上に楽しめる企画展だと思います。
反面、「デザイン」「アート」という視点ではこれまでの企画展より若干弱い印象を受けました。
とはいえ、楽しい企画展であることは間違いありません。
ここでは取り上げられなかった作品もたくさん展示されていますので、ぜひ足を運んでみてください。
開催期間:2017/02/17(金)~2017/06/04(日)
時間:10:00~19:00(入場は18:30まで)
休館日:火曜日(5/2は特別開館)
入場料:一般1,100円/大学生800円/高校生500円/中学生以下無料
展覧会ディレクター:為末 大、緒方壽人、菅 俊一
会場:21_21 DESIGN SIGHT 東京都港区赤坂9-7-6