【レポート】レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル

六本木の森美術館で開催中の『レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル』へ行ってきました。

日本では金沢21世紀美術館の『スイミング・プール』の作家としても知られているレアンドロ・エルリッヒ。

本展は、彼の四半世紀に渡る作品を集めた、世界的に過去最大級の作品展です。

それは、鑑賞者が作品の一部になったり、作品の中に入ったり、視覚の不思議さを楽しめる体感型のアート展でした。

そんな『レアンドロ・エルリッヒ展』のレポートです。

 


(最上部使用写真)作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ《建物》 この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。

 

レアンドロ・エルリッヒ展の作品

レアンドロ・エルリッヒ展の作品をいくつか紹介します。

会場は、最初は順番に展示されていますが、基本的にはどの作品からでも楽しめ、自由に行き来して楽しめる展示構成になっています。

反射する港


作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ《反射する港》 この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。

会場を入ってすぐの作品は、暗い部屋で揺れる数隻のボート。

一見、会場に水が張られ、ボートを浮かべているように見えますが、造形とコンピュータ制御で水面に揺れるそれを表現した作品です。

幻の川辺を体感できる作品。

 


作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ《雲》 この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。

フランス、日本、イギリス、ドイツの形をした雲を表現した作品が4点。

透明なケースの中に雲が浮かんでいる様に見えますが、セラミック・インクで描かれた透明な板を重ねて表現した作品。

ぜひ横から見てみてください。

 

試着室


作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ《試着室》 この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。

試着室を表現した迷路の様になった作品。

一瞬鏡の向こうに見えるのは、今いる部屋と左右対照になった部屋。

鏡の中へ入って進めますが、本物の鏡もあるので注意。

 

シンボルの民主化


作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ《シンボルの民主化》 この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。

写真と説明パネルでの紹介だけでしたが、面白いと感じたのがこちらの作品。

権力の象徴である塔の上を切り取って、市民の触れられる、別の場所に降ろした様に見せた作品。

降ろされた塔の上部はレプリカ。

切り取られた様に見える本物の塔の上部は、下部を延長した様な造形で覆い隠したそうです。

アイデア以上に、作品を実現させた情熱がすごい!

 

建物


作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ《建物》 この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。

本展のメインビジュアルで使用されている作品。

巨大な鏡に映された、建物の外壁を表現した床。

その上に鑑賞者が横たわることによって、鏡では外壁に人が貼りついた様に見える作品です。

より本物に見える様にポーズをとる人たちや、何も考えず這う小さな子供が面白く見えた作品でした。

 

写真掲載を控えた作品

他に、作品に映り込む人が、作品の主役になりすぎてて、今回は写真の掲載を控えた作品もいくつかあります。

その中の一つ『教室』は、本展の為に作られた新作。

鑑賞者が、手前の机や椅子に座ることで、奥に表現された廃校の教室に映り込みます。

半透明で下半身の消えたその姿が、まるで廃校に出現した亡霊の様に見える作品です。

 

まとめ

レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル』は鑑賞者も作品の一部となれる作品が多く、多くの人がわかりやすく楽しめる、体感、体験型のアート展となっていました。

面白いアイデアを作品として実現させてしまう、レアンドロ・エルリッヒの情熱にも触れられる作品展です。

 

今回は知人と出かけました。

一人でじっくり作品を味わうのも良いですが、誰かと一緒に行くと、より楽しく盛り上がれる作品展だと思います。

 

紹介した作品はほんの一部。ぜひ会場へ出かけて、体感して楽しんでみてください。

 

開催期間:2017/11/18(土)~2018/04/01(日)
時間:10:00~22:00(火曜日は17:00まで/いずれも入館は閉館30分前まで)
休館日:会期中無休
入場料:一般1,800円/学生(高校・大学生)1,200円/子ども(4歳~中学生)600円/シニア(65歳以上)1,500円
アーティスト:レアンドロ・エルリッヒ
会場:森美術館 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53F

 

※本レポートの写真は、公式サイトの<撮影された写真・動画の利用に関して>に則して掲載していますが、一部プライバシー保護の為ぼかしを入れてあります。使用に関して不備のある場合はコメント欄でお知らせください。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください